ドット絵を少し描いただけで、脳内でシコるための話が出来てしまう現象。
それをちょっと書き出してみました。小説という媒体はこれまで書いたことが
なかったので、拙い文章ですがヌケたら幸いです。
この日、シオンは廃坑道内に妖魔討伐の依頼を受けていた。
高度成長期には日本有数の炭鉱として賑わっていたのも今は昔…。
かつての栄華は見る影もなく坑道内は荒れ果てており、放置された機材は
錆びついており触れれば瞬く間に崩れてしまうような有様だった。
このような"忘れ去られた"場所には必ず"奴ら"がやってくる。
この廃鉱山もその一つだった。
「それでは私は準備がありますので、少し部屋をお借りします。」
シオンは依頼主の村長に依頼の概要を伺った後、部屋に入っていった。
少女がこの場に居なくなったのを見計らって村人たちが村長に詰め寄ってきた。
妖魔の駆除を国に依頼したものの、今や日本全国でこのような事件は
多発しており、この村のような優先度の低い事案は当たり前のように
放置されてしまっている。
かといって、フリーランスの退魔師を雇おうにもいまや寂れた寒村。
莫大な報酬を支払うこともできない。
そこで村長が伝手を頼りに連れてきた退魔師だったが、まだ16の小娘だったのだ。
彼らの不安は無理もない。
「あんな小娘に任せて大丈夫なのか！」「もうこの村はお終いだ…。」
村人たちは次々に不安を口にし始めたので、村長は彼らを一喝した。
「お待たせしました。」
そこに退魔業の準備を済ませたシオンが現れると、
村人達からどよめきが起こった。
先刻までの歳相応のあどけなさがある少女とは別人のようだったからだ。
澄んだ目は力強く、何者にも侵されることのない神聖を宿しており、
紫色の長髪は後頭部で纏められており風になびく姿は気品を感じさせる。
だがそれ以上に村人達を驚かせたのは彼女が身に纏っている退魔装束だった。
緋色のハイレグレオタードが競泳水着のように肌にぴっちりフィットしており、
ふっくらと盛り上がったお椀型のDカップの美乳、肩から腰にかけての美しい
ボディライン、熟れた果実のように豊満な臀部を引き立てていた。
そして純白のロンググラブやサイハイブーツがすらっと伸びた腕や
肉感的な脚を指先まで包み込む。
神事の巫女のような神々しさと、酷くフェティッシュで扇情的なコスチューム。
ある種の背徳感すら与える魅力の前に、村長以外の男全員はその場で
前屈みになってしまった。
そんな村人たちの様子など意にも介さず、村長が話だす。
「おぉ！やはりこうして見ると彼女と瓜二つですな！お美しい。
私まであの頃に戻ったようだ。」
村長はそう話しながら、彼が青年だった頃の出来事に思いをふける。
「そんな…。私などまだまだ精進の身。祖母には遠く及びません。」
シオンは謙遜の言葉を返すが、祖母と重ねられたことが嬉しかったのだろう。
口元がわずかに笑みを浮かべていた。
だが、次の瞬間には少女ではなく退魔師としてのシオンに戻っていた。
「祖母からは昔、この村には大変お世話になったと伺っております。
受けた恩には必ず報いなさい－祖母がよく口にしていた言葉です。
陽宮家の退魔師として祖母の孫娘として、
必ずやこの退魔業を成し遂げてみせます！」
妖魔との戦いに望む理由は退魔師の数と同じだけあると言われる。
ある者はただ破格の報酬を得るために。ある者は生まれ持っての家名のために。
ある者は全てを奪った悪魔への復讐のために。
だが、どのような思いを抱えていようとも、
ほんの僅かな転機で彼女たちの未来は触手に絡め取られてしまう…。
そしてそれはシオンにとっても例外ではなかった。
「くっ、いつまでこのような辱めを…。」
シオンが坑道内の妖魔に敗北して囚われてから既に半日が経過していた。
続く？
